UV 懐中電灯は、普段見えないものを見たり観察したりするのに効果的な道具です。しかし種類が多く、専門用語も多いので、どれを買えばいいのか迷ってしまうかもしれません。このガイドを読めば、あなたにぴったりの商品がきっと見つかります!
UV懐中電灯とは
UV 懐中電灯は、人間の目では見えない紫外線(光エネルギーの一種)を照射します。紫外線が特定の物体に当たると、蛍光を放つことがあります。塗料、染料、鉱物、動物、体液など、多くの物体や物質が蛍光性を示すので、紫外線光源を当ててることで対象物の存在を検知できます。
UV懐中電灯は、一般的な白光懐中電灯と同じ形状をしていますが、白色光ではなく紫外線を照射します。UV 懐中電灯は、ほぼすべてがLED技術を利用しています。
自分の使用用途にUV懐中電灯は適している?
UVライトには幅広い活用方法がありますが、UV懐中電灯は携帯性と使いやすさが重視される場面で最も役立ちます。UV懐中電灯は基本的に、化学反応や物理反応(硬化など)を引き起こすほど強くはありませんが、蛍光効果を確認するためには十分な紫外線を照射します。
UV懐中電灯の使用例をいくつか紹介します。
- 鑑識・偽造品検査
- 鉱物や宝石の観察
- 尿汚れ(ペットなど)や体液の有無の確認
- 昆虫や爬虫類の探索
どのUV懐中電灯を選ぶかは重要?
UV懐中電灯は種類や質が様々なので、スペックを確認しなければ、どのUV懐中電灯が使用目的に合うかを判断するのは難しいかもしれません。以下を参考にして検討してみてください。
適切な波長を選びましょう。UVライトは、紫外線スペクトル全体にわたる幅広い紫外線波長の総称です。可視光線が可視スペクトルに沿って測定されるように、紫外線もナノメートル(nm)単位で測定される波長を使ってスペクトルに沿って表されます。UVライトを探す際には、光の波長(nm)を知ることが非常に重要です。
なぜ波長がそれほど重要なのでしょうか。その理由は、UVライトが蛍光を誘発する必要があるからです。すべてのUV波長が十分な蛍光効果を発揮できるわけではないので、不適切な波長のライトを選んでしまうと期待する効果が得られないという恐れがあります。
素材や対象物によって最適な波長は異なりますが、ほとんどの場合360nm前後の波長が最も強い蛍光を発します。そのため、365nmの波長もしくはそれに近い波長のUV懐中電灯を購入するのがポイントです。判断を誤ると、懐中電灯のUVエネルギーはまったく役に立たず、必要な蛍光の輝きを得られない可能性があります。
LED 製造業界のトレンドにより、高波長 LED の方が製造が簡単でコスト効率も高いです。415nm(可視紫色光)のLEDや405nm(可視紫色光の境界)のLEDが「紫外線」LEDとして使われることも多いようです。販売・製造業者が使用波長を記載していない場合、本物の紫外線光源ではない紫色や紫色のLEDを使用している可能性が高いので注意が必要です。
一般的な波長は395nmです。紫外線を400nm未満の光と定義した場合、厳密にはこれが紫外線LEDとみなされることになります。しかし、400nmという数値に非常に近いので、エネルギーの多くを紫色光として放射しています。その結果、物体は蛍光を誘発するのに十分な低波長の紫外線を得られず、くすんだ紫色で照らされることになります。
十分な出力のものを選んでください。適切な波長の紫外線で も、量が不足していれば効果がありません。質(適切な波長)と量の両方が必要だということです。
しかし、照射されている紫外線の量はどうすれば分かるのでしょうか?残念ながら、この情報はほとんどの製品で明記されていません。ルーメン値で明るさを示す白色懐中電灯とは異なり、UVは目視できないので、ルーメンは使えません。 UVライトを測定する方法はありますが、メーカーの多くが情報を開示していないので、購入の目安にはしにくいかもしれません。
UV懐中電灯のUV照射能力は、2つのポイントから判断できます。1つ目は消費電力で、通常ワットで示されます。小型懐中電灯の多くは約1Wで動き、大型のものは3W以上を要します。LEDの個数だけで判断しないでください。LEDの数が多いからといって必ずしも出力が大きいとは限りません。重要なのは総出力なので、例えば3ワットのLED1個は0.5ワットのLED3個よりも強力です。
2つ目のポイントは、LEDの効率です。すべてのLEDが同じ効率で電気エネルギーを紫外線エネルギーに変換するわけではありません。効率が低いLEDは、高出力であっても実際にはあまり効果が得られません。一般的にLEDチップは懐中電灯の部品の中で一番高価なので、効率が低いということは安価なLEDチップを使っているか過剰駆動のLEDチップであることが多いからです。
電池の種類を検討しましょう。UV 懐中電灯の多くは、使い捨ての単三・単四電池で動きます。例えば、ペットの尿をチェックするために一度にほんの数分使用する程度であれば、この使い方が最も低コストで実用的です。もっと本格的な使用や長時間の使用には充電式のものが向いているかもしれません。
最も普及しているのは18650という充電式リチウムイオン電池です。18650 電池は、2500mAh(3.6V)以上を保持することができ、これは使い捨て単三電池の3~4本分に相当します。充電式電池パックを利用することで、長期的な電池費用を節約することが可能です。多くのUV懐中電灯には、充電式電池用のUSBや充電ポートも付いています。
18650 電池には、保護付きと保護なしの2種類があります。保護付きタイプには、過熱、爆発、液漏れから電池を守ってくれる回路が内蔵されています。少し割高になりますが、電池の爆発による家の全焼や人身事故のリスクも考慮すべきです。
UV 懐中電灯の紫外線は体に害や危険がある?
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ニュースやメディアでは紫外線が有害なものとして報道されることが多いので、UV懐中電灯の安全性について不安に思われるかもしれません。結論から言うと、常識の範囲内で使用すれば安全です。
まず、紫外線に伴うリスクと、UV懐中電灯との関係を理解することが大切です。蛍光効果の強さと同様、紫外線のリスク・危険性も波長と出力に左右されます。
私たちは日光からかなり多くのUV-A(315~400nm)とUV-B(280~315nm)を浴びている。UV-Bの波長は短く、より有害です。 太陽光を過剰に浴びることによるリスク(日焼け、目の炎症、ガン)のほとんどは、UV-Bによるものです。365nm以上の波長を持つUV懐中電灯は、UV-Aの波長域で照射するので、UV-B波長よりも有害性は低いと言えます
一般的に、UV懐中電灯から放出される紫外線量は晴れた日の屋外よりもはるかに少量です。太陽光は1㎡あたり約32ワットの紫外線エネルギーを持っており、これは3WのUV懐中電灯が放出する紫外線エネルギー量の30倍以上です(効率値30%と想定)。
UV 懐中電灯が害を及ぼす可能性は太陽光に比べれば極めて小さいことが分かりますが、UV 懐中電灯の持つリスクを完全に否定することもできません。こうしたリスクをさらに軽減するためにできる対策があります。
何よりもまず、UVライトを直視しないことです。紫外線は目に見えないので、普通の懐中電灯を直視した時のように、眩しさで思わず目を細めたり目を背けたりするような反射は起こりません。眩しくないからといって、紫外線が出ていないわけではありません。UV 懐中電灯が紫外線を発していることを知らない子供や人には使用させないようにしてください
それでもまだ安全面に不安がある場合は、日差しの強い日と同じような対策で自分の身を守ることができます。例えば、UVカットの安全ゴーグルやサングラスを使えば、目に入る紫外線量を減らせます。また、UV懐中電灯を使用する際は、素肌に直接光が当たらないようにし、長袖の服を着用すると良いでしょう。UV 懐中電灯は、必要な時だけ点灯させるようにしましょう。