E26とE27の電球口金とソケットは入れ替えできる?

E26とE27の電球口金とソケットは入れ替えできる?

E26とE27は同じなのか、互換性があるのか、E26の電球をE27用ソケットで使えるのか、あるいはその逆ができるのかなど、疑問に思う方もいるかもしれません。でもその前に、安全上のリスクがあることを知っておいてください!

 

新しい照明技術の発展により複雑になってしまった口金とソケットの関係

電球形蛍光灯(CFL)やLED電球のような新しい省エネ電球が開発される以前、白熱電球は特定の電圧レベル(日本国内ではAC100V、ヨーロッパ(およびその他のAC240Vの国)ではAC240V)のみで動作していました。

AC100VおよびAC240Vの両方で動作する「ワイドボルテージ(広電圧)」の白熱電球などはありませんでした。

AC100V仕様のものはE26ランプの口金を使用し、AC240V仕様のものはE27ランプの口金を使用していました。ネジは類似していますが、わずかに異なります。

定格電圧が異なるため、白熱電球のE26ランプがAC240VのE27用ソケットで使用されたりすることはほとんどなく、またその逆もありませんでした。これは、もとより電圧の互換性がないためでした。

しかし、電球形蛍光灯やLED電球の開発により、ランプは幅広い電圧に対応できるようになりました。具体的には、一部のLEDランプはAC90VからAC240Vの間のどの電圧レベルでも動作できます。

そのため、同じLEDランプを日本国内のAC100V回路でも、ヨーロッパのAC240V回路でも使用することができるのです。

しかし、ここで疑問が生じます。LEDランプはE26またはE27の口金規格を使用する必要があるのでしょうか。

さらに、AC240Vで使用するために定格されているE26のLED電球をE27用ソケットで使用できるのでしょうか、また、その逆も可能なのでしょうか。

 

誤ったアドバイスにご注意!

多くのメーカーや電球の販売業者は、E26とE27の電球口金とソケットは互換性があると簡単に言うでしょう。E27用ソケットにE26の電球を安全に取り付けることができ、その逆も同様に可能であると言います。

さらに、口をそろえたように、「そうですね、E27は27mmで、E26は26mm、ぴったり合いますよ。ほとんど同じですから!」と言うでしょう。

これは誤った情報に基づいた不正確なアドバイスです!

広く受け入れられているIEC規格に準じて製造された場合、E26とE27ランプの口金は、実際には26.05mm (最小)から26.45mm(最大)の同じ直径仕様になっています。

E26とE27の違いは、下部の接点(ライブ接点)とネジ山との間の最小距離です。この違いの理由は、E26とE27の規格がそれぞれAC100V用とAC240V用に設計されており、線間電圧のレベルが異なることにあります。

実際、ほとんどの場合、E26とE27のランプの口金とソケットは物理的には入れ替え可能であることがわかります。つまり、E26の電球をE27用ソケットに物理的に取り付けることも、またその逆も可能だということです。

とはいっても、電球がしっかり入って動作するからといって、そのランプの取り付けが、ランプとランプソケットが設計された電気安全基準を満たしているとは限りません。実際、不適切な取り付けは、ショートや電気火災のリスクを高めることにつながります。

一般に、E27と表記された電球はE26のランプソケットで使用しても安全ですが、E26の電球をE27のソケットに取り付けてAC240Vで使用すると、電気安全上の問題を引き起こす可能性があります。

これは、E26の電球の口金がAC100Vまでの電圧のみを受け、AC240Vの電圧を受けるようには想定されていないためです。電圧が高くなると、ライブ接点とニュートラル接点をより広く分離する必要があるため、E27には分離距離に関するより厳しい要件があります。

次はE26とE27の違いについて詳しく見ていきます。

 

E26E27の物理的な違い

電球口金の製造は、IEC規格に準拠しています。この規格は、E26とE27について、それぞれIEC 7004-21 A-2とIEC 7004-21-9の規定寸法を定めています。

一般的にE26とE27のネジ寸法の間には1mmの差があると言われていますが、ネジ寸法の要件は実質的に同じです。

 

最も大きな違いは次の点に見られます。

1) ネジ全長

2) ネジの谷の径

3) 絶縁キャップの高さ

 

以下にE26とE27を比較した図と仕様を示します。

 

ネジの長さ(最小)

E26 - 19.56mm

E27 - 22.0mm

ネジの外径

E26:26.05mm~26.41mm

E27: 26.05mm - 26.45mm

ネジの谷の経(最大)

E26: 24.72mm

E27: 24.26mm

ネジのピッチ

E26: 3.629mm

E27: 3.629mm

ライブ接点パッドの幅

E26:9.14mm~11.56mm

E27:4.8mm~11.5mm

絶縁体の高さ(最小

E26: 3.25mm

E27: 5mm

E26E27の電気安全上の違い

上述した機械的な違いは、取るに足らないことのように思えるかもしれませんが、それぞれのランプの口金が使用する電圧レベルに対応しているためにこの違いは存在します。

E26のランプは主にAC100Vを使用する北米市場向けに設計されていますが、E27のランプはAC240Vが主流のその他の市場向けに設計されています。

E27電球は、より高い電圧の回路で使用するように設計されているため、ライブ接点とニュートラル接点との間に十分な間隔を確保するよう追加の予防措置を講じる必要があります。

 上記のような機械的な違いが存在する理由の具体的な説明は、次のとおりです。

1) E27は、より長いネジが使用されているが、これは、長くすることでソケット内のネジの位置合わせの精度が増すため。ネジの位置合わせが不適切な場合、「ライブ」接点がニュートラルのネジ山に近づく可能性があり、アーク放電やショートのリスクが高まる。

2) E27は、より安全で隙間のない接触を提供するために、より広いネジの谷の径を用いている。これにより、湿気やゴミがソケットに入るのを防ぐ。高い電圧レベルでは、湿気やよごれによるショートや電気火災のリスクが高まる。

3) E27は、ライブ接点とニュートラルのネジの口金との間の距離を広げるため、絶縁体の高さを高くする必要がある。この差は比較的大きく、ショートの危険を避けるために必要。

 

まとめ

LED電球を購入する際は、E26とE27が完全に互換性があると安易に決めつけないでください。可能であれば、AC100VのE26用ソケットにはE26の電球を、AC240VのE27用ソケットにはE27の電球をご使用ください。

E27の電球をE26用ソケットで安全に使用できる場合もありますが、E26の電球をE27用ソケットで使用すべきではありません。

機械的には似ていて入れ替えが可能であっても、電気安全上の観点からは、E26をAC240VのE27用ソケットで使用すると、絶縁性が低下し、ショートや電気火災に対する保護性能も低下します。

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