電球の明るさを調べていると、ルクスとルーメンという異なる2つの単位を目にし、戸惑うことがあるかもしれません。どちらも明るさに関係するものですが、その測っている対象が若干異なります。
この記事では、この2つの違いについて解説し、また、どのようにこれらの指標を活用できるかをご紹介します!
ルクスとルーメンの定義上の違い
主な違いをまとめると、次のようになります。
- ルクス(lx)は照度の単位であり、表面に降り注ぐ光の総量
- ルーメン(lm)は光束の単位で、光源からあらゆる方向に放出される光の総量
下図のアニメーションでは、黄色いドットが明るさの単位を表しています。ルクスは特定の表面に落ちるドットの数で、ルーメンは光源から放出されるドットの総数です。
光源に近ければ近いほど、ルクスの数値は高くなります。これは、光源から遠ざかるにつれて光が分散するためです。
したがって、電球のルクスの表示を見るときは、必ず光源からの測定点の距離が示されていることを確認する必要があります。たとえば、「4フィートで1000ルクス」と表示されていても、ルクスの数値しか見ていなければ、その数値がどの距離で測定されたものなのかわからず、正しく比較することができません。
LEDスポットライトのようなほとんどの指向性光源では、通常、ビームの中心が最も高いルクスを示し、中心から離れるにつれて、ルクスは減少します。
ルクスを使う場合とルーメンを使う場合
ルクスは、特定の表面がどの程度明るく見えるかを知るために使われる単位です。テーブルの上、読み物、写真撮影の被写体など、表面がどの程度明るく見えるかを知りたい場合は、ルクスが重要な指標となります。
十分なルクスのレベルがないと、本を読んだり、きれいな写真を撮ったりすることが難しくなります。一般的なルクスのレベルを次に示します。
薄暗い曇りの日:1,000ルクス、または1平方メートルあたり毎秒20マイクロモル
間接日光:10,000ルクス、または1平方メートルあたり毎秒200マイクロモル
直射日光:100,000ルクス、または1平方メートルあたり毎秒2,000マイクロモル
ルクスは、特定の表面にどれだけの光が降り注いでいるかを示す尺度であり、その数値には複数の電球や昼光などの光が混在している場合もあります。
一方、ルーメンは、1つの光源がどれだけの光を発するかを知るために使われる単位です。これは電球が発する光の総量を比較するのに便利ですが、配光や空間の広さによっては、その空間や作業にとって「十分」かどうかは必ずしも判断できません。
ルクスとルーメンの測定方法の違い
ルクスは表面に降り注ぐ光の量の尺度であるため、携帯型の小さな照度計や分光計でも、表面に降り注ぐ光の量を測定できます。これらの機器は一般的に低価格で、スマートフォンに接続して現場で使用できるものもあります。
一方、ルーメンは1つの光源から全方向に放出される光の量を測定します。そのため、もう少し洗練された機器が必要となります。通常、ゴニオスフィアや積分球が必要となり、これらの機器は、あらゆる角度から放出される光をとらえ、放出される光の集まりを測定します。